待ち合わせ
正史
「あみさんですよね?初めまして。」
「初めまして。」
「僕だってすぐ分かりました?」
「ええ。メールで教えていただいたので」
「お昼まだですよね?あそこのお店美味しいですよ。少しゆっくりしましょう。」
上京したきみとの待ち合わせ。
実際に会うのは初めてだ。
緊張しながら向かい合わせで食事する。
軽く生ビールを飲みながらメールを手掛かりにお話する。
アルコールが入り打ち解けてくるうち段々とムラムラしてくる。
(バーチャルとは言えあんなに求め合った人と本当に会えたんだ。)
「あの、予定通り行きますよね?」
「ええ。」
「じゃあ、これお願い出来ますか?」
紙包みを渡すときみは素早くバックに入れる。
「じゃあ、着けてくるね。」
きみがトイレから帰ってくるのを待ってリモコンのスイッチを入れる。
きみは軽く目を閉じびくんっとする。
耳を澄ますと微かにモーター音が聞こえてくる。
「あみちゃん気持ち良い?」
きみの隣に席を移し耳元で囁く。