カプセルホテル…
のろ
俺は、ある種の高揚を覚えながらガラスの扉を開いた。
ここは最近できたカプセルホテル。
友達からの情報を元に俺なりにネット等で調べると、なななんと!同じフロアに女性用のカプセルもあることを突き止めた☆
以下施設側からのコメント(某情報筋より抜粋)
場合によりましては女性のお客様と向かい合わせになる場合もございますが、当スタッフが巡回し…中略…安心して…云々。
「ここっきゃない!!!」
あんなことやこんなこと、とにかく何かが起こるかもしれない!
俺は淡い可能性に胸をときめかせながら声を上げた。
俺ってつくづく幸せな奴だ。
昔の俺ならこの時点でトイレに駆け込みオナニーをしていたかもしれない。
カプセルを間違えて入ってみたら女の子がいて俺を自然に受け入れてくれる。
そして「待ってたのよ、のろさん。私を気持ちよくして!快感の海で溺れさせて」などと耳元で囁かれ、愛撫もそこそこにチ〇コを挿入して激しく腰を動かし、実際に聞いたことはないが「壊れちゃう!お願いだからもう堪忍して」などと汗ばんだ身体をそりかえしながら喘ぐ彼女を抱きしめながら逝くのだ。
うひゃははは!一度も数えきったことないけど千回こするぞ~~~!!
そんな事を空想しながらチ〇コをこすり、情けない声を漏らしながら逝く瞬間には相手の子が実はオバハンだったという落ちまでついてだ。
だが俺は成長した。
チ〇コは仮性のままだがとにかく成長したのだ。
ガラスの扉をはいると「いらっしゃいませ」とゴスロリかコスプレが好きそうな女子が声をかけてくれた。
むむむ!期待大じゃん☆
この子が「巡回で~す」と囁きながらカプセル内に入ってくるのかと期待を膨らませるが、所詮カプセルホテルだ。
相手はただのスタッフで何があるわけじゃないと自分に言い聞かせ料金を払って中に入った。
早速、風呂に入ってさっぱりした俺は(カプセルの場合みんなそうすると思うけど)ガウンだけを着て、煙草と文庫本を片手に喫煙室に向かった。
そこで読書をしながら煙草をつけリラックスするために。
そこに同じガウンを着た長身で細身な女性が入ってきた。
あからさまに見るのも失礼かと文庫本を見ながら視界のすみに入った女性の動きを見ていた。
彼女はこちらに背中を向けて近くのソファーに身体を沈めた。
その距離約1メートル弱。恐る恐る彼女に視線を移すと、彼女は携帯をいじり始めていた。
洗ったばかりの柔らかそうな髪の毛がスラリとした背中の中ほどまで伸び、ソファーのかげからわずかに見える素足は可愛らしく、爪には薄いピンクのマニキュアが見えた。
この時点で俺は読書どころではなくなっていた。
ふと股間に目を向けるとガウンのあわせの部分から亀頭が覗いていた。
「ゲゲッ!いつの間に!!…おまえも彼女を見たかったのか?」
俺は心の中でチ〇コに話しかけた。
「あ!俺がノーパンってことは彼女も?まさか!」
そう考えた俺はもう限界だった。
そっとチ〇コをガウンの中にしまって、静かにこすりはじめる。
場所と状況からストロークは自然に小刻みになるが、それだけで充分だった。
あえなく快感が股間に集中しだすと、ビクンビクンと脈打たせながらガウンの内側を汚してしまった。
「はぁ~、やっぱ俺って早いな~。…さて風呂入ってくるか」
俺は事後の一服とばかりに煙草に火をつけ、吸い込んだ煙をふーっと吐き出した。
その時、彼女に「すみません。火を貸してもらえますか」と声をかけられた。
とてもハスキーな声。
可愛らしい声も好きだが、ハスキーボイスはそれはそれでいいなと思う。しかしそのタイミングがまるで俺が逝くまで待っていたかのような気がして俺はドキッとしたが、そんなことおくびにも出さず「どうぞ」と彼女にライターを差し出した。
え!?
目の前の彼女の顎付近は薄っすらと青く…ヒゲ??
角ばった顔…
彼女は「どうも」と言ってライターをとったが、その声って…
オナってしまった自分の心が音を立てて崩れ始めたのを知った。
彼女…彼は自分で火をつけたあと微笑みながら「ありがとう」といった。
笑顔の中にある二つの瞳が怪しげに輝いたのを見た俺は、自分の操が危険にさらされているような気がした。
俺は「どういたしまして」と言ってライターを受け取ると、煙草もそこそこにしてその場をでた。
そして風呂に入った俺は、自己嫌悪に陥りながらもあることで悩みながら身体をあらった。
それは、彼女…彼はどっちの風呂に入るのだろうかということだった。