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ホテルで⑦

結衣

「…え。」
言ってることがわからなかった。
戸惑っている私にもかかわらず龍夜が口にアイスを運ぶ。

『これ以上体調崩したら大変だろ。だから帰れ。』
これで襲われずにすむ!本当なら喜ぶはずなのになんでかな…胸がズキンッて痛かった。

「そ、だね。私明日早いし…そうする。」
龍夜さんに気持ちばれたくなくてなんとか言葉をはきだした。

所詮龍夜さんから見た私は子供なんだ。
少し相手にされたからっていい気になってたんだ。
それでも運ばれてくるアイスをひとくち、ひとくちたべる。

アイスなんか無くならなければいい。そしたら、もっと一緒に…
『ほらっ口開けろよ、アイス溶け…』
ペチャッ
のろのろと食べていたアイスがついに部屋の温度に負けて溶けた。本来口に運ばれるはずだったアイスは私の頬にたれ首筋にながれた。

『悪いっ!今タオル持ってくる。』
慌ててベットから降りてタオルを持ってこようとした龍夜の服の裾を私は握った。

『結衣?』
「…な、ぃでっ」
戸惑う龍夜に続けて言う。
「帰れ‥なんて‥言わないで」
泣きながら言葉を吐き出した。

『お前それ意味分かって言ってる?』
少し強めの口調で龍夜が質問した。

私はコクンッと頷いた。
意味は分かってる。でもここで別れてはいさようならなんてできない。
だって龍夜さんのことが好きだから。



『お前なんか相手にしてる暇ないんだよ。病人だからって優しくしてやったのなんか勘違いしてないか。お前相手にしたのだって他の女の暇つぶし。そうでもなきゃガキなんか相手にしない。』

龍夜さんが冷たくいいはなった。
その言葉は私を貫いた。
反論はできないだって全部本当のことだから。でも…。

「…っ」
『分かったら早く離してくれるか?』
めんどくさそうに龍夜さんが言う。

ガバッ
私は龍夜さんに抱き着いた。
「私が…ガキだっていうのは分かって…ますっ。でも龍夜さんのこと…好きなんです。だから…っ」
ドサッ
私は龍夜さんに押し倒されてベットに押さえ付けられた。
「えっ?」
『せっかく俺が…』

今この状況が理解できない。
『俺が嘘まで言って、結衣諦めようとしてるのになんなんだよ!』
怒っているような照れているようなどっちにもとれない口調で言った。

「あのっ…それって。」
混乱して言葉がまとまらない。
『もう帰さないからな。』
そのままキスで私の言葉はふらがれた。



次回はついに♪
ムフフなかんじで(笑)