救急車
せつ
去年の年末のことでした。オナニー求道者の私は尿道に被覆電線(イヤホンなんかのコードです)を挿入し尿道壁から前立腺に刺激をくわえるという荒業に挑んでいました。
尿道の入り口(正確には出口)から約30センチほどコードを挿入するとターゲットである前立腺です。
コードは非常にデリケートな尿道に入れるわけですからある程度医療的な消毒知識が必要です。私は一応医療従事者なので消毒液などはすぐに手に入るのですが、そのときは分量を間違えました。通常の20倍ほどの濃い液につけたコードを挿入してしまったのに気づいたのはだいぶ後でした。
30センチ挿入後の快感をひとしきり楽しんだあとコードを抜いて一休みしてトイレへ。
!?‥おしっこの瞬間に激痛が脳天を貫きました。「なんじゃこりゃー!!」とは言いませんでしたが、おしっこをすることは全くできません。しばらくすれば落ち着くさ‥
甘かったです。二時間ほどテレビ(紅白)をみているうちに尿意はどんどん増す一方であせりが出てきました。おしっこができない危険さは知っていますので恐怖におののいて意を決しトイレに。痛みは2時間前より強烈になっており、おしっこなんてできるわけがありません。死刑ではものたりない重罪犯にはこの刑がいいな‥などとぼんやり考えていましたが、いよいよおおげさでなく死の予感がよぎったのでおおみそかに救急車をよびました。
時間はすでに深夜2時。当直の先生と看護婦は明らかに寝起きで不機嫌極まりない様子でしたが、状況は正直に話さないといけません。「尿道にコードをいれていたずらをしていましたら‥」
と消え入りそうな声で話した時の、寝起きも手伝ってか状況が把握できないというような先生の表情が印象的でした。
結局は「…もうそんなことはしないでください」といわれ、痛み止めと抗生物質をだされ、家に帰りました。激痛にはかわりありませんでしたが、たまっていたおしっこを出し切れたときはホントに全身の力が抜けました。
尿道オナニーを試そうとされる方は多少のリスクを覚悟しましょう