初の海外で ①
さと
もう何年になるだろう?私は初めての海外旅行でドキドキ。目の前には南の島のエメラルドグリーンの海。絶対にダイビングでカラフルな魚と、鮮やかな珊瑚の楽園を味わおうと体験コースに参加を申し込んだ。
レンタルのダイバーズジャケットを着てボートに乗り込んだの。片言の日本語でにっこり笑う外人さんに不安を抱きつつ、どこまでも続く青い海に沈んで行った。初体験の私にはどの位の時間が過ぎたか分からない…綺麗な魚を観るためにインストラクターの手をしっかり握っていた。ふっと手が離れ、大きな珊瑚に座らされた。気付くと、前あきのスーツのチャックは下までおろされていた。陽に焼けた男の手は、白い胸を海に解放する‥ぁぁ何でビキニを着て来ちゃったんだ?後悔している間にも、男は体を撫で回す。乳首をもて遊び、下半身にまで‥魚の餌付け用のソーセージを体に、首筋、色んな所に擦り付けていく。群がり体を突く小さな魚が恐さを払い、快楽を感じる程になった。男は私を抱き締め、ゆっくりと水面に上昇していく。水面に出た時にはジャケットは元通りに直されていた。ボートに上がると、体温が下がっていたのかブルブル震えが止まらない。他の参加者はまだ上がって来ない。男は『ダイジョウブ』と言いながらスーツを脱がし、タオルで体を包んでくれた。男のガッシリした腕で押さえられ、男の舌が首筋を這う。生暖かい舌は胸の谷間へ移動し、寒さで固くなった乳首に吸い付いた。ねっとりとした舌が敏感な乳首を刺激し、『あっん』と声が漏れた…するとザパーンと人が水面に上がる音や声が聞こえた。男はサッと私から離れ、仕事を始めたようだった。あぁ~これで、助かった。ボートは岸に到着し、私は熱い砂浜に腰を下ろした。違うコースに参加している友達を待っていなくてはならなかった。照りつける太陽が肌を焦がす‥前日にやったペイントタトゥーが黒だから、黒のビキニを着てきた。ビーチではトップレスの金髪女性が目についた。日本人を探した、安心したかった‥同じ年位の男女を見つけて歩き出した。腕を捕まれて振り向くと、先程のインストラクターともう一人の男だった。しゃべり掛けられても意味が分からない。何でも良いから『サンキュー』が精一杯。手を振りほどいて、日本人に駆け寄った。
友達が数分後に戻り、私たちはタクシーでホテルに戻った。
悪夢の始まりだった。