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夜中に飼い猫と

結衣

夜中に目がさめた。
クスリを飲み始めてからはいつもこうだ。
眠ったと思ったら夜中にまた目が覚めて一時間ぐらいゴロゴロしてまた睡魔が襲う。
だけど今夜はなんだかとても温かくて目が覚めた。

カーテンの間からは満月がのぞいていた。
その光が部屋へさしこみベッドを照らす。

右を向くと…
一緒に寝ていたはずの黒猫が…いない。
代わりにいたのは頭から耳をはやした人間。
『んっ…』
それはもぞもぞと動き、眠そうに布団に潜った。

どうしよう。
新しい痴漢なのだろうか?ここで騒いだら絶対にまずい。
でもなんでだろう、嫌な感じがしない。
今までずっと一緒にいたような、こうして毎日寝ていたような気がする。
でもこんな人始めて見たし、鍵も閉めた。

どこから入ってきたのだろう。
それにしてもこの耳はいったい…
秋葉系の方なのかしら?そのわりには綺麗な横顔をしていた。

私は好奇心で耳を触った。
ピクッ

『んっ…あっ華音おきたんだ』

その猫耳男は私の名前をよびもぞもぞとしながら起きた。
起きちゃった…。
それでもなんだか危険だとは思えない自分はおかしいのだろうか。

「貴方だれ?」
彼はそれを聞くと少し哀しい顔をした。
『玲だよ。華音は飼い猫のことも忘れちゃったの?』

確かにわたしには3歳になる黒猫…玲という名前の猫を飼ってはいるがこんな男を飼った覚えはない。

「新手の変質者?」
『ひどいなぁ華音。…そっかぁ満月の夜に華音に会うのは初めてだったね』

満月となにか関係があるというのだろうか。
私が首を傾げているとさらに彼は説明した。

『猫は満月になると神秘をおびて魔力がますんだよ。だから人間の姿になって華音とも喋れる。ねっこれで玲って信じてくれた?』
「…ちょっと無理があるんだけど」

しかし首元を見ると私が玲にあげた首輪と同じものを付けていた。

「この首輪…」
『だから玲だって言ったでしょう?』

本当にそうなのだろうか?なにか変な夢でも見ているんじゃないだろうか?

『毎晩華音うなされてたみたいで心配してたんだよ。今夜はこの姿になれたおかげで華音を一人で淋しくさせないであげられる』
ギュッと彼…玲は抱きしめてきた。

「ちょっと…玲っ」
『あっ玲って信じてくれたんだ嬉しい』
そう言って顔をペロッとなめてきた。

「なっ//」
『華音顔真っ赤。可愛いね』
私は顔が真っ赤になって熱をおびているのを感じた。

『華音夜目が覚めるとなかなか寝付けないんだよね?じゃあ僕とあそんでよ』
そのまま玲は唇にキスをしてきた。
そのキスは優しい口づけだった。

「んっ…れぃなっ//何して」
『なにって愛情表現。華音が淋しくないようにと思って。また顔真っ赤になってる』

すぐにまた玲はキスをしてきた。
まるで初めて知ったキスを楽しんでるみたいだった。

「んっ…っぁ」

深く口づけをしいつのまにか玲の舌が私の中に入ってきていた。
私は初めてのこんなキスに戸惑いながらも感じてきてしまった。

「はっ…れ…ぃっん」
『華音可愛い。もっと華音の可愛い顔見せて』