釣りざおでのイタズラ
ミチオ
中3の時のクラスメートY子は、何かと僕にちょっかいやイタズラをしてきました。プールの授業の時のことです。
Y子は密かに釣りざおをプールサイドに持ってきていました。この日は25Mクロールのタイムを測る日で、
5人ずつ行ないました。自分の出番がくるまで、5列に並んで座って友達と話していた時、Y子は釣りざおの先の針を
僕の海パンに、気づかれないように付けました。僕の番になったので、飛び込み台に立ち、スタートの構えをしました。
スタートの笛を鳴らす美奈子先生(僕の憧れの先生)に華麗な泳ぎを見せてやろう、そんな気持ちでした。
Y子は僕の後ろに回り、僕が飛び込んだと同時に釣りざおで、まるで魚を釣るように、海パンを取りあげました。
何も知らない僕は、飛び込んだ時になぜか女子の悲鳴があったな、と思った程度で気にせずに25Mを泳ぎきりました。
結果は5人の中でダントツの1位。自分の結果に酔いしれながら、未だに気づかず水から上がってしまいました。
みんななぜそんな目で僕を見るんだ!? すると1人の男子生徒が哀れむような表情で僕のアソコを指差しました。
下を向いた僕はようやく事態を呑み込みました。僕はどうすることも出来ず、アソコを両手で隠し、
とりあえず再度プールの中に入りました。周りを見渡すと、Y子が海パンを持っているではありませんか!? あの野郎!
こういう場合先生に助けを求めたい所ですが、美奈子先生しかいません。しかも両手で顔を覆い、恥ずかしそうに
しゃがんでいたので、とても無理でした。Y子は「もう一度水から上がったら返してあげる」と言ってきました。
「本当だろうな?」僕は半泣き状態。「早く上がんないと本当に返さないわよ」 仕方なく、両手で隠しながら水から
上がりました。「約束だ。早く返してくれよ」 ところがY子は、「私を捕まえて取りに来いよ」と言って、
プールサイド内を逃げ回りました。僕はY子を追うしかありません。またプールの中に入ることも出来たでしょうが、
その時は海パンを一刻も早く返してほしい一心でしたので、Y子を追いました。Y子はわざと女子たちのいる所に
逃げ込んだりしたので、「ぎゃー、来ないで!」とか言われながら、走り回されました。
もうどうしようもないと思った時、「こら、やめなさい!」と声が聞こえました。
美奈子先生が男の先生を呼んできてくれていました。ようやくY子は海パンを返してくれました。
おかげで、美奈子先生はあまり僕と話してくれなくなり、クラスの女子たちからは軽蔑の目で
見られるようになりました。中3までに彼女を作るという僕の夢は、夢どころではなくなりました。
Y子からは今まで色々な目に遭わされてきましたが、このプールでの出来事は本当に恥ずかしかったです。