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幽霊が×××

結衣

「…っえ私は…香夜が--んっ。」
彩に口を塞がれてそれ以上なにも言えなかった。強引だけど今までより優しいキスに私は戸惑った。

『あんな奴の名前じゃない俺の名前を呼べよ。』
もう濡れて溢れ出しているアソコに指が触れる。

「アッ…っさ、彩ヤッん//。」
私が好きなのは香夜。---でも香夜を呼んだら消えてしまうかもしれない。

『もっと呼べよ。お前を愛してるのは俺だ。』
魔力をもっているような言葉。さらに彩は私の敏感になった所を触れてくる。

「んっ…駄目、ッアッ止めて。私は‥香夜が--香夜のことが」
『あんな奴やめちまえよ。どうせ消えて居なくなる奴なんか---』
『誰が居なくなるのかな?』

窓を閉めきっている部屋に突然風が吹き込んできた。
そしてほのかな桜の香。

「---香夜。」
見上げると香夜が私と彩二人を引き離すように姿を表した。

「っんっぐすっ。香夜。香夜っ。」
私が泣きだすと香夜が振り返り優しく微笑んだ。

『ごめんね。もっと早く来ていればこんなに結衣を悲しがらせることなかったのに。』
香夜が私をきつく抱きしめるとまた彩の方に向き直った。

『今更来てなんの用だ香夜。お前なんかもうすぐ消ていなくなって---』
『うるさい。あなたが結衣に何を吹き込んだか知らないが、結衣を愛しているのは私だ。』

そして香夜は彩に手をかざした。

『あなたも幽霊の端くれ。知っているだろうが私は大桜に憑依している。これだけいえば解るだろう?霊力の差が。』
威圧的な香夜の瞳が彩を捕らえる。

『私の目の前から消えなさい。消滅したくなければ…だが。』
『クソッ。結衣俺はまたお前を奪いに来る。その時は覚悟しとけ。そして香夜もな。』

彩は空中に浮かび霧のように消えていった。

「んっぐすっ…こ、香夜---」
『結衣怖い思いをせて本当にすまなかった。』

香夜は私の手を拘束しているネクタイを解いてくれた。

『痣になっている。可哀相に。消毒---』
「香夜なんできたの!?」

私はキッと香夜を睨みながら今にも泣きそうな声でといただす。

『結衣?』
香夜が私の頬に手をそっと置こうとしたが、パシッと音をたてて振り払った。

「香夜は私に何も教えてくれないじゃない!どうして消えてしまうかもしれないこと・。もう会えなくなっちゃうかも知れないこと教えてくれなかったの?」
香夜が悪い訳じゃないのは分かっている。でも、喚きちらす私を香夜は何も言わず聞いていてくれた。

「今夜だってなんで来たの?わ、私なんかほっとけば良いじゃない。あんなことされて…こっ香夜に会う資格なんか---」
いきなり香夜に抱きしめられた。

『資格なんか要らない。私は結衣さえ居てくれればそれでいい。』
「だって私のせいで香夜が居なくなっちゃうなんて絶対…絶対嫌だもんっふっうっぐすっ‥ひっく。」

香夜の背中に腕をまわしてしがみつき駄々をこねる子供の様に泣いた。

『私は結衣の前から居なくなったりしない。こんなに不安にさせてすまなかった。』
「本当に居なくならない?」
『うん。』
「私のこと嫌いになってない?」
『うん。嫌いになんかなれるはずないよ。』
「またいつもみたいに逢いにきてくれる?」
『うん。いつでも逢いにいくよ。』
「好きっ‥香夜」
『うん。』
「大好き。」
『うん。』

ただ、優しく香夜は私の言葉を受け止めてくれた。

『---ゆ・ぃ--結衣、結衣っ。』
「!!」

はっと目が覚めた。いつの間にか私は香夜に腕枕されて寝ていたらしい。

「あっごめん。私寝ちゃって//」
香夜は私の髪を触って頭を撫でた。

『大丈夫。泣き疲れたんだね。でも寝顔可愛かった。』
「///~~~っ。」
『ねぇ結衣、散歩しに行かない?』
「えっ?」

私は慌ててベットの上の時計を見た。朝の5時。

『ほらっ、行こう。』
私は急いで服を来て。香夜に引っ張られながら外にでた。

「さむっ!!」
4月といえどまだまだ寒いしかもこんな朝なんてなおさらだ。

ふわっ
「えっ?」
香夜の香に包まれる。香夜が上着をかけてくれた。いつも着ていた和服。

『私は寒くないから。』
「…。!!」
『えっ?』

私は香夜と手を繋いだ。

「寒くなくても暖かいのは解るでしょ?」
顔を覗き込んで笑いかけた。

『‥抱きしめてくれたらもっと暖かいよ?』
悪戯っぽく笑いながら、香夜が提案した。

「///却下!そんなことしたら歩けないでしょっ。」
『残念だな。』

そんなことを話しながら人がいない町を歩いていった。

「わぁっ//」
『朝の桜も綺麗なんでしょ?。』

私達は大桜のある丘に来ていた。

今回はここまでです。
続きはまた今度。