逆流(その2)
楓汰
その瞬間「ヤバイッ!」って思いました。
だってそのまま精子出したら、親の布団にぶっかけちゃうことになるのですからΣ(゜д゜;)
そんなこんなで、とにかくそれだけは避けなきゃいけない!何がなんでも!って頭の中が目まぐるしく高速回転しまして…
イった瞬間のその0.01秒くらいの間に電気信号がビビビッと右手に送られ、結果反射的に右手がとった挙動が、「力の限り握りしめる」でした。
とにかく外に出してはならないと。
そんなことしたら、行き場を失った精子は…、まぁ逆流しますよねぇ。
それだけで事が済めば良かったんですけれど、自然の法則に逆らったわけですからそうもいかず、逆流したまさにその瞬間、それはもう筆舌に尽くしがたい激痛が走ったんです、股間に(笑)
もうやばいのなんの…
石臼ですりつぶすみたいなエグい痛みが、玉から下腹部にかけてバイソンの群れの行軍の如く押し寄せてきまして、「ぬぉ゛ぁあ゛っ!」みたいな感じでひたすら悶絶すること数分間、もちろん握ったまま。
しばらくして落ち着いて、もう動けるかなってなってからトイレに行きまして、とりあえずおしっこしてみたら、どうやらまだまだ許してもらえないみたいで再び悶絶すること数分、結局その日ずっと痛みは引きませんでした。
夜、布団の中で、「あぁ、俺、何か発病して死ぬのかな…」とか、「とりあえず人としての生殖機能は永遠に失われたなぁ…」とか、「ごめんなさい…」とか、次々と沸き起こるネガティブに搦め捕られ、若くして性の絶望を味わい苦しんだのでした…
まぁ3日くらいで治ったけど。