ホテルで⑥
結衣
―――
〔龍夜〕
『なっ!?』
結衣が何か言ったとおもったら突然視界から消えていなくなった。
…。
『おいっ!!結衣?』
フロの中から結衣を引っ張りあげてだきかかえる。
「…。」
どうやら意識を失ってるだけみたいだが、
『結衣!大丈夫か?』
問い掛けても全く反応がない。
『ったく俺にどうしろってんだよ…!』
こんな可愛い顔してクークー寝てると襲っちまうぞ。
―――
〔結衣〕
『―――ぃ。』
んっ。
『ぃ―――ゅ‥い』
ん~うるさいなぁ。眠いんだってば。
『ぃ結衣っ。…。犯されたいの?』
「?!」
ガバッ
私はとんでもない言葉を囁かれて飛び起きた。
どうやら私はベットの上で寝かされていたらしい。
「つめたっ。」
頭の上からびしょ濡れのタオルが落ちてきた。
「えっ?これって?」
ベットの端に座っている龍夜さんに問い掛ける。
『冷えピタなんて気の利いたものなかったからタオル絞ってのっけたんだよ//』
恥ずかしそうに掴んでいたタオルを奪いとった。
「あっ、ありがとう。」
龍夜さんの意外な優しさになんだか嬉しくなった。
『//つか急に倒れるなよ!あぁ~フロからここまでつれてくるの重かった。』
「重くてわるかったわね。」
やっぱりいじわるだ。
「どうせ私は重い――っ」
ふらっ
頭が一瞬真っ白になって体がいうことをきかなくなった。
龍夜さんがすかさず抱き留めてくれたのでベットに体をたたき付けずにすんだ。
『まだ無理するなよ。さっきもフロの中でのぼせて気失ったんだから。』
「んっ…ごめん、なさい。」
なんだか迷惑をかけて申し訳なくなる。
龍夜さんがゴツンとおでこをあてた。
『いや、結衣に無理させたのは俺だし。その…悪かったな。』
「///そんなっ、私別にその、無理とかして」
『アイス食べるか?』
へっ?
『さっき結衣が寝てる間にロビーで買ってきたから、のぼせて体温上がってるだろ、アイス食おうぜ。』
ベットから飛び降りると龍夜は冷蔵庫のある部屋へ行った。
なんていうか、龍夜さん天然入ってるかも。
『ほら食え。』
スプーンでアイスをすくって口に運んでくれた。
「いいですっ。」
『なんで?ハーゲンダッツ嫌いか?』
「いや、そうじゃなくてっ。アイスぐらい自分で食べれます。」
『だーーめっ!また起き上がったら倒れるかもしれないだろ。ほらっ食え!』
無理矢理にアイスを食べさせられた。
「…美味しい。」
『俺が選んだんだから当たり前だろ。』
そう笑顔で言われたら文句も言えなくなる。
『もう一口。』
仕方なく口をあける。
『お前これ食い終ったら自分の部屋帰れ。』
今回は甘々でいきました。龍夜の意外な一面登場(笑)