スナックの聖母3
さおくん
ケイコママはおばちゃんと呼ぶと怒るので、けいちゃんって呼んでと言われていました。
何か用事でお店に行った時はケイコママですが、家にお邪魔して2人きりの時は、けいちゃん、けいこさん、といった感じで呼びました。
ママは夜の仕事なので、当然朝は寝てました。
ママの家に泊まった次の日は朝食は私自身で作りましたが、休みの日の昼間などはママが作ってくれたり、私の服も一緒に洗濯してくれたりと、家事にもマメな人でした。
『育ち盛りやから、沢山食べなね』と言って、色々身の回りの世話も焼いてくれて、私も本当に素直に親しみを感じていました。
筆おろししてもらったのは、そんな感じでいつも御世話になっていた矢先のことでした。
確か夏に入る前の、6月ぐらいの時期でした。
当時中2の私は、テニス部に入っていたのですが、同級生からいじめに近い嫌がらせを受けていました。
理由は私が先輩方から可愛がって頂いていたことに対する妬み、僻みでした。
それはさておき、そのせいで色々なことが嫌になり、部活を辞めていました。
当時は部活は強制だったので、辞めた生徒は特例でして、稀有な目で見られることがしばしばで、学校にも少し居心地の悪さを感じていました。
またその為に、授業終わりは家に直帰だったので、暇を持て余した時は、ぶらりとママのところへ遊びに行っていました。
私の母親が事情を話していたのか、こちらのママは根掘り葉掘り聞くような事はせず、『君らは最近はどんなこと勉強しとるの?』とか、ママ自身の身の上話やお客のした面白い話などをしてくれて、私が退屈したり、深く考え込んだりしないように、気を遣ってくれているようすでした。
宿題をする気にもなれず、かといってゲームやテレビも気が進まない。
今日は家帰って寝ようかな~などと思っていたら、ママがそっと寄ってきて、『さおくん(←現HNですが、理由は後述)、一つ聞いていい?』え?何?と思うと、『けいちゃんやでええわと思って聞いてね。内緒にしとくでね。…ここ、ちょっと前に何か変なことあった?』といって、私の股関を指差して聞いてきました。
続