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劣情の解放…終章

トン

テレビ画面から目を離し、一息ついてからツトムを見る。
感情を表に出さぬよう努めているのがわかる。

『ありがとう…』
ホッと息を吐きながら呟く。

『シュウ…お前…ゅこちゃんをどうしたいんだ…?』
ツトムが顔に疑問符を浮かべながら訊いてくる。

『どうしたいも何も…何をしても、しなくても、ゅこはオレの女神で、オレの全てサ…』

『こんな扱いをしてか?』

『…ゅこの中にある劣情はオレ1人で解放してあげられるタチのものじゃない…』

『…にしても…お前自身が立ち会って導けばいいじゃないか』

『それだと本当の意味で解放感は得られないと思った…いや、感じたからね。それに…』

『…それに?』

『オレ自身の劣情も解放できない』

『…?』

『自分が何も携われない立場で、ゅこが乱れる…淫らな様を晒す。それを傍観者として見てみたいっていう、どうしようもない欲望。多分自分だけじゃゅこをここまで満足させてやれないっていう劣等感からくるんだろうなぁ…』

『…にしても…本当に良かったのか?一瞬オレ、本気でゅこちゃんを誘ったんだぜ?いつかゅこちゃんがオレのモノに惚れたらどうするよ?』

『そうなったらなったら…ゅこの欲望の部分はお前のもの…残りがオレのもの…』

『…じゃあ…他の部分を他のヤツがさらったら?』

『…ふふっ。ゅこがオレに何を残すのか…残さないのか。それを知った上でゅこを愛すよ』

『何も残らなくても?』

『残らなくても』

『…わかんねぇ。でも…最後まで付き合ってやるよ。このままお前が書いたシナリオ通り…。もっと人数を増やしたり、野外や店内で欲情させたり…出来る限り…』

『頼むよ、有難う』

… … …

まったく…厄介なヤツに惚れられたもんだな、可哀想に。
思いながらも、この異常な恋愛の結末と、堕ちてゆく女の様に対する興味は失せず、こうして与えられた役割をこなしてしまう。

『…さっき公園で撮った剃りあげたマンコからオシッコ吹き出してるデジカメのデータ持ってプリントアウトしてこいよ。あのコピーしてる兄ちゃんに説明して貰いながら…』

明らかに露出狂と見てとれるミニスカート姿のゅこちゃんがコンビニに入って行く。
プリンター横のモニターにゅこちゃんの淫らな姿が浮かび上がり、機械の説明を請われた若い男が戸惑いと高揚感を顔に浮かべながら好奇の視線をゅこちゃんに向けている…。

《終わり》