いつもの場所で…
トン
『待った?』
隣の駐車スペースに車を置いた彼女が乗り込んでくる。
『かなり…』
ワザとらしい不機嫌さを漂わせ答える。
『ごめ~ん!なかなかお迎えのこない子がいて…』
申し訳なさそうにすり寄る彼女。
『ふ~ん…まぁいつものことだし…』
と、拗ねたフリをする。
『ぇえ~ごめ~ん!』
情けなく歪んだ彼女の顔に、堪えきれずに笑ってしまう。
『ふふっ…怒ってるワケじゃないから』
髪に優しく触れながら言ってみる。
『ホントごめんね』
ホッとした様子で彼女が更に身を寄せてくる。
『でもね…時間がもったいないし…焦らされてこんな事になってるから、ここでしようか!』
彼女の左手をジーンズの盛り上がった部分にあてがいながら、引き寄せた顔の3cm手前で瞳を見つめながら言う。
『ぁん…また…?』
彼女の吐息に含まれた熱が降りかかる。
『嫌ならいいよ。今日は無し!』
フッと視線を外しそっぽを向く。
『ぁん、イジワルっ!』
彼女がキスを求めてくる。
… … …
『…濡れてる?』
恥ずかしがるのをわかっていながら訊いてみる。
『…うん』
言わないとまた拗ねると思ったのか、素直に答える彼女。
『見せてごらん…』
言いながらもう一度キスをする。
… … …
目を開けると彼女が右手に脱ぎたての下着を握りしめているのが視界に入った。
『何してるの?全部脱がなきゃ…?』
イジワルっぽく笑いながら言ってみる。
『えっ!全部?ここで?』
彼女がワザとらしく驚く。
いや、本気で驚いているのかも…?
『うん、全部。何驚いてるの?いつもやってる内に全部脱いでるじゃない!』
またイジワルっぽく笑いながら言ってやる。
『えっ…だって…いつもは知らない内に脱いでるから…ホントに脱ぐの?』
『そう、脱ぐの!』
大型スーパーの第三駐車場。
平日の七時過ぎ。
周りには殆ど人影も車も見当たらないとはいえ、絶対に見られないという保証はない場所で…
彼女は一つ一つ服を脱ぎ、やがて全裸になった。
(続く…)