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定点観測⑦

トン

『任務完了…』
マスターが用意した、ゆみちゃんと同じマンションの一室でホッと息を吐き出しながら呟いた。

『ご苦労様っ♪』
マスターがご機嫌な笑顔で労ってくれた。

『…でも…これで本当に…?』
疑問をぶつける。

『うん。大丈夫…あの日パソコンもちゃんと覗けるように細工してたんだけど…彼女オナねたサイトに“盗聴されたりとか興奮しちゃいます”なんて書き込んでたからね♪これで一皮剥けると思うよっ♪』

どうやらパソコンの調子をみましょう…なんて言いながら、中身を覗けるように細工していたらしい。
マスターに出来ないことはないのか?

『おいっ!ゆみちゃんの様子が…見てみぃ!』
タケちゃんの声に全員が画面を見つめる。

『そんな…盗聴って…本当に聞かれてたなんて…えっ…嘘じゃないよね…夢でも…』
ベッドの上に腰掛けたゆみちゃんが指先を口元に押し付けながらブツブツと呟いていた。

『…聞かれてた…いつから?ううん…昨日も…全部聞かれてた?』
『…ゆみの…ゆみの秘密が全部…?』
『あっ!さっきの刑事さん…ゆみが盗聴されてたこと知っててあんな風に見つめて…』

ゆみちゃんの独り言が止まらない…。

『どやろ…始めるかな?』
タケちゃんが口を開いた。

『まぁ見守りましょう…♪』

マスターは今回も自信があるようだ…
根拠があるとは思えないが…

『…聞かれてた…聞かれて…ゆみのイヤラシィ声も…全部…ヤダ…ヤダ…ゆみの…本当に…』
ゆみちゃんの手が移動し始めてた…。

『実はあのサイトでね、ゆみちゃんを覗いて…盗聴もしてるだ…なんて妄想の振りをしてゆみちゃんのオナの様子を書き込んだりしてたんだ♪…彼女の趣味は本物のはず…本物のはずだよ♪』

マスターが呟いた。
根拠はあったのか?!

『聞かれてた…ゆみのイヤラシィ声…Hな願望…知られてた…誰?誰が知ってるの?もしかして録音されて…誰かに聞かせてたり…みんな…みんながゆみの秘密を知っているかも…知っていながら知らないフリして…ゆみを見ながら笑ってた?…ゆみを見ながら思い出して…イヤラシィ姿を想像したり…あぁ…そんな目で見ないで…ダメ…見つめないで…』

ゆみちゃんの右手が口元から離れ、下へ下へと移動する…。

『やだっ…また聞かれちゃうよ…ゆみの秘密聞かれちゃうよ…』
右手はジャージの中に潜り込む。

『ダメ…ダメよゆみ…』
ゆみちゃんがベッドに横たわる…。