夢…②
トン
僕の背後は襖で仕切られたスペースだった。
所謂押し入れだろう。
その中に何が収納されているのか…
確かめたい衝動は静かに抑え込む。
『だから!そこのデジカメとプリンターを使えるようにして欲しいの!』
アユミが机の横に積み重ねられた箱を指差す。
上の小さな箱を取り上げ、中からデジカメ本体と付属ソフトの入ったCD、説明書を取り出すと、付属ソフトをパソコンにインストールしながら説明書に目を通した。
如何にもワクワク…といった顔をしながらアユミがすぐそばまで近付いてくる。
少し汗ばんだアユミの匂いが僕にまとわりつく…
邪念を振り払う為に軽くクビを振る姿を不思議そうに見つめるアユミ。
そっとアユミから距離を取り、プリンターの接続にも取りかかる。
『これ…かなり大きいよね?A3まで印刷できるヤツ?こんなに大きいのプリントすることあるの?』
プリンターを取り出しながらついつい口をついて出た言葉にアユミが反応する。
『いるの。いるから買ったの!ブツブツ言わずにちゃんと使い方も教えてよ!』
アユミの悪戯っぽい笑みが気になった。
あの目は…